Archive for the 'DataPortability' Category

11月 20 2008

Facebook Connectに見る未来のソーシャルウェブ

DataPortabilityを実現するData AvailabilityやFacebook Connect、FriendConnectの技術が公表されて半年が経ちますが、ようやくこれらを実際に使ったサービスが登場してきました。

これまでのFacebookやOpenSocialにおけるガジェットや埋め込み型アプリケーションは、中心となるソーシャルネットワークに外部サービスが機能を提供する形でプラグインするものばかりでした。Data AvailabilityやFacebook Connectは逆に、RESTful API等を活用して外部サービスにソーシャルネットワークをエキスポートします。今日はCitysearchというサービスで実現されたFacebook Connectを例に、これからのソーシャルウェブの具体的なカタチを紹介したいと思います。

CitysearchがFacebook Connectにβ対応

僕の知る限り、これが初のまともなFacebook Connect対応 / DataPortability対応のサービスです。

Citysearchは、レストランやホテル等、実際に利用した人がレビューを書いて共有するタイプのソーシャルネットワークです。

よく見ると画面右上に”Sign In Using Facebook”の文字があります。

早速クリックしてログインを試みます。

認証

Lightbox風のダイアログがポップアップして、Facebookアカウントを使ってサインインしても良いかの確認が。

ここで重要なのは

  • Citysearchのロゴが入っている。つまり、FacebookとCitysearchの間には、自動化されているにしろ、事前に何かしらのやりとりがあったことが伺える。
  • このダイアログはiframeです。僕の場合は既にFacebookにログイン状態だったので確認しか表示されませんでしたが、ログインしていない場合は(フィッシング対策として)別ウィンドウがポップアップしてFacebookのIDとパスワードを求めるようです。
  • 利用規約に同意する必要があります。地味ながら、日本での法的なハードルも今後課題になるとは思われます。

サービス登録

コネクトすると、未登録のためメンバー名を求められます。既存アカウントが無い人のために用意されているようです。ここでもいくつかポイントがあります。

  • Facebookの認証は独自方式ですが、これがオープン仕様ならOAuth/OpenIDのコンボになると考えられます。つまり、Facebookの独自方式では認証と認可が同時に行われているようです。
  • この後分かりますが、できあがったアカウントにはFacebookのプロフィール写真、名前、友達リストが少なくともインポートされています。オープン仕様であればOpenIDでsregを使ってニックネームとプロフィール写真を、OAuthで友達リストをインポートすることになるのでしょうか。OAuthだけでもいいかもしれません。
  • “Merge your Facebook profile with an existing Citysearch account?”というリンクが用意されています。既存アカウントとOpenIDをマージできるサービスが少ない事を考えると、なかなか気が利いています。
  • ここではCitysearch自体の利用規約に同意させているようです。

コネクト完了

ログインしてみると、画面右上に自分のFacebookプロフィールの写真が表示されています。

マイページには自分の名前とプロフィール写真しか掲載されていません。他にエキスポートされる情報があるかは未調査です。

ここが最大のミソになる、友達リストです。残念ながら”None of your Facebook friends are Citysearch members”とあるように、両方に登録しているFacebook friendsしか友達として表示されないようです。ここで未登録の友達も表示して、”Citysearchに招待する”なんて機能があってもいい気がします。

フィードバックとなるアクティビティ

さて、ここまで見てきたものはすべてCitysearch上の画面でした。Facebookは自身が持つデータを提供するばかりで、考えてみればいいことなど何ひとつないように見えます。広告を貼る方法だって見つけられません。では、なぜ惜しげもなくソーシャルグラフを提供するのでしょうか?

実は、Facebook ConnectはアクティビティをFacebookにフィードバックする仕組みを持っており、これによってFacebookはコネクトされたサービスのアグリゲータになれるからなのです。下記画像の「掲示板に記事を掲載」とあるのがこの部分です。OpenSocialで言えばアクティビティストリームがこれに当たります。

実際の画面イメージを掲載したいところですが、Citysearchにレビューを書く勇気がないのでJohn McCrea氏のサンプルにリンクしておきます。

アクティビティのアグリゲータになることは、トラフィックを集める上で非常に重要な戦略です。Facebookにさえ来れば、友達が関わる様々なサービス上の活動を一目で確認することができるのです。今まで知らなかったサービスも、友達を介して知ることができます。さらに、集めたアクティビティにはこんな利用法もあり、様々なマネタイズの可能性も秘めていると言えます。

参考サイト

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9月 18 2008

オープンなコンタクトリスト仕様、Portable Contacts

Published by Eiji under DataPortability, OpenSocial, SocialWeb

PlaxoのJoseph Smarr氏が使う言葉に”Open Building Blocks for the Social Web”というものがあります。これはウェブをよりソーシャルにし、サービス相互の連携を深めていくために必要な”要素”を表しています。

この”要素”にはOpenID, OAuth, microformats, OpenSocialと、いずれもこのブログで取り上げてきたこれからのソーシャルウェブを占う重要な規格が挙げられていますが、そんな重要なピースのひとつに、Portable Contactsが加えられました。

Joseph Smarr氏の在籍するPlaxoにて、既に利用可能なAPIが公開されています。

Portable Contactsとは

Portable Contacts, is an easy-to-implement “people data” API that provides secure access to both traditional address book data and to modern social application data (profiles and friends lists).

PortableContactsとは、従来のアドレス帳データと最近のソーシャルアプリケーションデータ(プロフィールと友達リスト)のいずれにも、セキュアなアクセスを提供する、簡単に実装可能な”Peopleデータ”のAPIです。

現時点の仕様の中身を見てみると:

  • ディスカバリの方法(XRDS-Simple)
  • 認証/認可の方法(OAuth, Basic認証)
  • クエリパラメータ(ソート、フィルタ等)
  • 応答フォーマット(JSON, XML)
  • エラーコード
  • Contactのスキーマ

といった内容になっています。vCardやOpenSocial等、既存の仕様から大きく外れないよう意識して設計されているとのこと。

Portable Contactsの使いどころ

Portable Contactsはアドレス帳や友達リストを表すものですので、様々な分野で応用できることが予想されます。

ソーシャルネットワークサービス間の友達リスト交換

既にMySpaceのDataAvailabilityでサービスイメージが示されていますが、MySpaceの友達リストをTwitterにインポートする、なんてことが可能になります。

デスクトップアプリとのアドレス帳交換

例えばMac OS Xのアドレス帳アプリとMicrosoft Outlookのアドレス帳を、ウェブサービスを通じて同期するなんて事も、これまで以上に統一した規格の上で行う事ができるようになります。

携帯電話とSNSのアドレス帳を同期

自分が利用しているSNSの友達リストをそのまま携帯電話に乗せたり、その逆を行う事ができるようになります。ここでRipplexのようなサービスが間に入ると、さらに面白いことができるようになるでしょう。

OpenSocialとの関係

あれ、じゃあOpenSocialとPortable Contactsて同じじゃないの?と思った方もいるのではないでしょうか。そう、基本的にOpenSocialのPeople APIとPortable Contactsの役割は同じです。似た仕様が複数存在する事はあまり好ましくないため、個人的にも疑問に思っていました。

実はJoseph Smarr氏の働きかけにより、Portable ContactsはOpenSocial v0.8.1仕様で統合されました。言い換えると、OpenSocialのPeople APIの仕様とPortable Contactsの仕様は同じです。

OpenSocial v0.8.1の仕様はまもなく公開されると思いますが、内容はPortable Contactsに沿ったものになっていることが確認できます。

まとめ

ソーシャルウェブエコシステム構築の動きは、Portable Contactsのようなピースが揃う事でさらに加速してきています。今後もソーシャルウェブのメインプレイヤーたちの動向から目が離せません。

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6月 20 2008

FriendConnectから垣間見える未来のソーシャルウェブ

今更ですが、先日サンフランシスコで開かれたGoogle I/Oに参加してきました。

その中でも特に印象に残ったのが、PlaxoのJoseph Smarr氏によるOpenSocial, OpenID, and OAuth: Oh My!というセッション。僕が見たセッションの中ではダントツの人気で、部屋に用意された椅子はもちろん、立ち見で人が溢れ返るほどの盛況ぶり。

内容は、ソーシャルウェブの未来について。現在はOpenSocialというソーシャルグラフを所有するサービスに閉じた世界が中心となりつつありますが、少し未来のウェブはOpenSocial, OpenID, OAuth, PortableContacts等の技術によって、よりグローバルな意味でのソーシャル化が図れるようになる、というものです。

詳細はGoogle Codeにビデオとスライドがアップされていますので、ご覧ください。かなり早口ですが、大変面白い内容です。

OpenSocialとFriendConnectの持つ意味

OpenSocialにはv0.7まで、JavaScriptのAPIしか存在していませんでした。これはOpenSocialコンテナにとっては外部サービスからガジェットとしてアプリケーションを追加してもらい、そのOpenSocialコンテナが持つソーシャルグラフに閉じた形で利用されるものでした。アプリケーション開発者はOpenSocialのJavaScript APIを使い、ガジェットが置かれているコンテナサイトの友達リストを取得し、そこでアプリケーションを動かすことができます。もちろん、ガジェットを自分のサービスドメイン上でホスティングすることも可能ですが、ガジェットはコンテナ上でしか動作せず、友達リストを外部サービスとしてインポートしたりといったことも不可能で、実質的に囲い込みサービスしか生まれないものと言えたでしょう。

それがOpenSocial v0.8 + FriendConnectによって一気に世界を広げます。ユーザーはFriendConnect対応サイトを利用するに当たり、OAuthを使って自分が利用したいSNSサービスを選ぶ権利が与えられています。同時に、そのサイト上での活動内容は連携を選択したSNSサービスに戻されます。

ここでソーシャルサービスの要素を思い出してください。

  1. アイデンティティ
  2. ソーシャルグラフ(友達リスト)
  3. エントリの公開範囲の制御(プライバシー)
  4. フィード

FriendConnectはアイデンティティをOpenIDで、ソーシャルグラフをOpenSocial v0.8のRESTful APIで、エントリの公開範囲の制御をOAuthで、フィードをActivity Streamで解決しようとしています。

これらの意味するところを深く見つめて行くと、未来のソーシャルウェブが自ずと見えてきます。

Joseph Smarr氏(Plaxo)による未来のソーシャルウェブ論

FriendConnectのイメージをさらに深めるため、Joseph Smarr氏が、PlaxoのFriendConnect対応に際してアップしていたブログエントリをご紹介します。

Plaxo and FriendConnect are now Best Friends

Plaxoが完全にFriendConnectと連携した。FriendConnectとは、あらゆるサイトをソーシャル化する、Googleによるウィジェットベースのツールである。これにより、FriendConnectに対応していれば、どんなサイトでもPlaxoアカウントに安全に接続し、サイト上に自分の友達がいるかを確認したり、友達を招待したりといったことができるようになる。何よりも素晴らしいのは、そのサイトでの活動内容をPulseに流し込むことができるようになり、Plaxoでの友達がウェブを跨いであなたと連絡を取り合うことができ、あなたが発見した新しいサイトを知ることができる点だ。

これは本当に便利でわくわくする連携機能だ — これはユーザーが自分のアイデンティティと関係をウェブ上のどこでも利用できるようにし、新しいサイトで知人を見つけ出し、活動内容を既存の友達に共有し、よりソーシャルな発見と共有という徳の高いサイクルを生み出す、シームレスソーシャルウェブエコシステムにさらに近付いたと言える。これこそソーシャルウェブの進むべき道だ — (現在あるほとんどのサービスがそうだが)新しいソーシャルサイトを使い始める度に最初からやり直さなければならないなんてとんでもない。あなたの新しい体験全てが、他の人をも魅了すべきだ。

これはサービスがユーザーに自分の持つデータの制御を与え、オープンスタンダードを使って安全なアクセス権を提供することによってのみ成り立つ。そしてこれこそまさに、PlaxoがFriendConnectを使ってやりたかったことだ。Plaxoアカウントを接続する際、我々はOAuthを使う。そのため、Plaxoのパスワードを渡す必要もないし、後で接続を断つことも可能だ。FriendConnectを使ってあなたが活動内容をPulseに共有する際は、OpenSocial 0.8 RESTful Activities APIを利用する。オープンスタンダードではない連携はアドレス帳APIのみであり、我々はこのスタンダードについても取り組みを開始している。我々はアイデンティティプロバイダとして、ソーシャルグラフプロバイダとして、そしてコンテンツアグリゲータとしての役割を果たしていると強く信じている — つまり、我々はユーザーが自身のデータと関係性をウェブ上のどこにでも持ち回り、どこからでも共有できるようにしている — これはユーザーにとっても、Plaxoにとっても、ウェブ全体にとっても有益なことだ。だが、まだこの取り組みは始まったばかり — FriendConnect対応サイトから活動内容を共有する際、家族や友達、仕事関係など、共有相手をより細かい粒度で制御するなどの、更なる拡張を楽しみにしていて欲しい。

下のスクリーンショットはPlaxoとGoogle FriendConnectの連携したものだ — FriendConnectを利用しているサイトでも体験してもらうことができる。

画像は実際のページをご覧下さい。

まとめ

ガジェットコンテナとしてのOpenSocialには正直、懐疑的な部分があったのですが、FriendConnectの描く未来を想像し、またわくわくしています。今後もこの辺りの動向を追って行きます。

追記

似たような話題に触れた記事を見つけたので追記し、トラバっておく。(失敗したので断念○| ̄|_)

グーグルが見たソーシャルネットワーキング–その3つの傾向:スペシャルレポート – CNET Japan

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5月 14 2008

SNSのオープン化

Published by Eiji under DataPortability

SNSをオープン化する動き

Facebookの開発者向けプラットフォーム公開に始まったSNSのオープン化は、さらに加速度を増しています。Facebookの対抗と言わんばかりに登場したGoogle主導のOpenSocial。Facebookが自社サービスをプロプライエタリな基盤にする動きであったのに対し、Googleはその他大勢の連合を擁して、基盤の標準といえる規格を作りました。

両者のこの動きは、外部サービスをSNSの一部であるかのように取り込むという意味で共通しています。

SNSアグリゲートサービス

日本でSNSというとmixiを代表とした日記交換サイトがイメージされがちですが、Twitterのように一方通行の「Follow」が可能なものや、Flickr、Lastfm等のジャンルに特化したものもSNSと呼ぶことができます。

最近FriendFeedのように、こういった各種SNSをアグリゲートすることに特化したサービスも登場してきました。サービスに各種SNSのIDを預けることで、フィードのアグリゲーションが行われ、ユーザーはそのサイトさえ追いかけていれば必要な時だけ連携サービスを見に行くことができるようになります。

このように、ウェブの求める方向性はSNSの登場以降、IDがウェブ上のあちこちにあったとしても、使っている本人は一人であり、友達も同じなのだから、まとめちゃえばいいじゃん、にシフトしてきています。

DataPortability

DataPortabilityはそんな各SNSサービスに囲い込まれつつあるデータを解放して相互に利用できるようにしよう、という動きです。


DataPortability – Connect, Control, Share, Remix from Smashcut Media on Vimeo.

DataPortability – Join The Conversation from Smashcut Media on Vimeo.

詳細は僕もつかみきれていませんが、MySpaceのData Availability, FacebookのFacebook Connect, GoogleのFriend Connectと役者が揃ってきました。それぞれがどういう特徴を持っているのかを、追って紹介していきます。

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